日本展示学会

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[P1]文献にみる「展示」の歴史プロジェクト

目標
「展示史」プロジェクトの目標は2点
(1) 長期的目標として、展示(学)史の構築。
(2) 短期的には(あるいは当面は)「展示」ということばの起源の探索。
 
構成員
川合剛(プロジェクト長)、草刈清人、山本哲也、石井一良、木村浩、北村彰
 
活動方法
主にメーリングリストで展開
 
活動の経緯
●「展示」ということばの起源について情報収集と意見交換をしている。
●「展示」ということばの起源は、意味の起源と用語の起源とに分けることができる。
意味の起源
山名文夫を手がかりに、バウハウスのハーバート=バイヤー、アイソタイプの考案者であるオットー=ノイラート、ロシアのデザイナーで建築家で写真家であるエル=リシツキーらの仕事までさかのぼることができた。
 今日に近い意味での「展示」は、オーストリア、ドイツあるいはロシアで、1920年代初めから半ばにかけての時期に現れたものらしい。
 
用語の起源
昭和4年12月に中央公論社から刊行された今和次郎(編纂)『新版大東京案内』に「展示」の語がある。
『東京博物館(本郷区湯島二ノ一) 文部省直轄。名は博物館でも、帝室博物館とは面目を著しく異にしている。ここは現実生活の科学的参考品の陳列場である。震災記念品をはじめ、土木建築、燈火照明、電気瓦斯、農業、交通運輸などの参考品や実験機械等を展示する。入場者一年間に二五、七九七人(昭和二年度)』。ちくま学芸文庫版『新版大東京案内』(下)296ページから。
 これが、現在のところ、確認することのできた最古の用例であるが、一般向けの著作であることから、実際に使用され始めたのはさらにさかのぼるものと思われる。
 
今後の課題
意味の起源については、1920年代の初期の「展示」の具体的な方法の調査(リシツキーのドレスデン国際美術展やプレッサ展覧会、ノイラートの社会・経済博物館など)。
 用語の起源については、同時代史料の探索―博物館関係だけでなく、建築、デザイン、商業施設など広い分野にわたって渉猟する必要があるだろう
 

■情報提供およびお問合せは jinrikisha@msn.com まで

 

更新:2002年10月7日

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