日本展示学会通信55号(2) |
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12/3.4研究集会の報告 |
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平成17年度 研究集会が開催されました。 12/3.4の両日、「奈良県図書情報館」において「研究集会 in 奈良」が開催されました。テーマは「展示がまちをつくる‐文化の再構築と展示‐」と題し、奈良という地域特性を踏まえた文化施設のあり方やまちづくりについて講演やフィールドワーク を行いました。 1日目は、奈良同様古いまちなみが残る京都市西陣地区の活性化について、「西陣寄席」という一つのイベントを開催するまでの経緯から当日の様子が報告されました。住民が少なくなり町としての機能や、住民同士の交流が希薄になる中、どのようにその町の住人以外のパワーを持ち込み町を活性化していくことができるか、貴重な事例報告でした。そして、引き続き、奈良市内「ならまち」と呼ばれる地区について、報徳寺副住職倍厳良明和尚よりご紹介いただき、さらには場所を「ならまち」に移し実際に歩きました。町家を改装したNPOの拠点施設や店舗など、まちの景観を保ちつつ新しい文化へのアプローチを実感するフィールドワークとなりました。またこのならまちにある「奈良市音声館」では歌声による人づくりを目指し、“目に見えない文化資産”わらべうたや子供の遊びを今に伝える活動しています。この「奈良市音声館」を活動拠点にする劇団「良弁杉」は小学生から70代までが所属し、奈良の民話をミュージカルや紙芝居で上演していますが、偶然にもミュージカル「二月堂良弁杉」の練習風景も見せていただくことができました。 2日目は会場となりました「奈良県立図書情報館」の富山司書監よりこの図書情報館のコンセプト等を伺い、館内を丁寧に案内していただきました。“書籍”だけではなく“情報”を共有する施設としての理念がどのように具現化されてきたのか、またこれから先“情報”をどう考えるか、示唆に富んだ内容となりました。また、「奈良県立図書情報館開館記念」として2つの企画展が展示されており、その展示について(株)トータルメディア開発研究所安藤氏より解説をしていただきました。 2日目朝の奈良公園散策はあいにくの雨模様となってしまいましたが、2日間、総勢30余名の参加となりました。ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。 《平成17年度 研究集会 in 奈良》開催概要テーマ:「展示がまちをつくる −文化の再構築と展示−」 |
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発行日:2006年02月16日 | 2 | 1ページ | 2ページ | 3ページ 閉じる |