日本展示学会通信56号(2)

◆平成18年度会員総会

第25回研究大会の2日目に平成18年度会員総会が開催されました。

 端会長より、平成18年度方針について、地域での学会活動活性化に向けて検討して行きたいとの意向が述べられました。続いて、議長に倉本昌昭氏が選出され、平成17年度事業・決算の報告、平成18年度事業計画・予算案の決議が行われました。また、森理事より「編集委員会規則」を新たに設けることが説明され、承認を得ました。同時に、これまで『展示学』の巻末に掲載されていた「編集方針」「執筆要項」を整理し、新たに「寄稿要領」「執筆要領」がまとめられ、会員の特典等が明確にされたことが報告されました。(これらの規則等は『展示学』42号に掲載し、またWeb上からも見られるように順次掲載していきます)
 引き続いて、第2回学会賞授賞式に移り、学会賞各賞が木村副会長(学会賞運営委員長)より発表され、各賞の授賞理由等については学会賞選考委員から提出された講評が読み上げられた後、端会長からそれぞれ賞状が授与されました。(学会賞各賞の詳細については学会賞の発表記事をご覧ください)

平成18年度事業計画

  1. 平成18年度中に、理事会および正副会長会を6回程度おこなう。
  2. 平成18年度中に、評議員会を1回おこなう。
  3. 第25回研究大会および平成18年度会員総会を、「江戸東京博物館」(東京都墨田区)においておこなう(6月24日、25日)。
  4. 学会誌『展示学』の発行を2冊おこない、そのための編集委員会を3回程度おこなう。
  5. 第2期学会賞運営委員会の申し送りを考慮し、第3期運営委員会を発足させ、第3期の学会賞を開始する。なお、第3期学会賞では学会賞の全体的な流れを共有するため、学会賞選考委員会も早期に発足させる。
  6. デジタル版『学会通信』を4回程度発行する。
  7. 昨年度まとめた項目のコンテンツを準備し、「ハンドブック」の具体案を作成する。出版社と交渉し、出版事業を具体化させる。
  8. 展示学研究集会を2回程度おこなう。
  9. 課題検討委員会にて、地域活動、その他の事項について検討し、その準備をおこなう。
  10. 年報の発行をおこなう。
  11. 学会誌のデジタル化を継続する。
  12. 海外交流を促進する。
  13. その他
    1)研究推進委員会報告書等を発行する。

端会長挨拶

 学会員のみなさま、こんにちは。第25回研究大会は、すでに昨日から白熱した研究発表とともにはじまっておりますが、本日もまたこれからの会員総会、ひきつづき第2期学会賞の授賞式をへて、そのあと、今大会の 大きなプログラ ム、「最近の展示を総括する」を皆さまと一緒に進めて行きたいと思っております。どうか最後までよろしくお願いいたします。
 昨年度に、新しい事業の一つとして、課題検討委員会を発足させました。昨年は一年目ということで、どこにどういう課題があるのか、といった課題の洗い出しをいたしました。今年度は2年目ですので本格的な課題の検討に入って行きたいと考えています。
 現在の展示学会の状況から言いますと、会員の所在や学会の活動がどうしても大都市圏に偏ってしまっているように思います。地域レベルでの展示学の普及が、最近は少々停滞 しているのではないかという懸念 があります。このことがこれからの学会活動にどのよ うに影響してくるのか、課題検討委員会で大いに議論していかなければならないと考えます。少なくとも北海道や中国、四国、九州そういった地域で会員数を増やしながら、展示学の普及を進めていかなければいけないのではないかと思っています。
 また、昨日の研究発表を拝聴していると、大学院生の発表とか若い方の研究発表が非常に目立ってきたように感じています。大変良い傾向だと思います。 これからは、展示学会の活動を、大学あるい は大学院の教育課程と連携することも大いに考えていかなければいけないということです。先ほどの理事会で、来年は京都橘大学で研究大会を開催するという案が承認されました。たとえば、京都には学芸員資格課程を持っている大学だけが交流する組織がありますが、こういったところとも連携し、学生にも展示学会の活動を見てもらえるような機会を作っていくことも視野にいれて行きたいと思います。
 今大会は第25回目という、数字的には記念すべき大会ではありますけれども、学会そのものはまだまだ多くの課題を抱えている状況です。こうした課題の検討を前提にしながら、本年度の事業計画や予算などについて、十分にご審議していただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。